リーダーシップは、トレーニングによって鍛えられる能力であり、心構え（マインドセット）です。
自ら手を挙げて動き出すための力であり、これからグローバル標準で仕事をしていくことになる多くの人にとって、むしろ英語よりも大事です。
組織のトップやチームリーダーに固有の能力ではなく、メンバー全員が持つべき能力であり、それぞれの立場でリーダーシップを発揮することで、機動的で柔軟な組織になります。
自分は新入社員だから、下っ端だから、部下がいないからリーダーシップは関係ないという人にこそ、本書を読んでほしいと思います。

リーダーシップを発揮するのは、リーダーだという暗黙の前提は大きな間違いです。

大企業の優秀な20代〜30代前半の若手のビジネスパーソンは、「自分の会社は、何千億や兆という売上があって、何万という人が働く巨大な組織。そんな組織の中で、自分一人で、自分発で本当に何かできることなんてあるのだろうか」と感じている人もいると思います。
でも、決してそんなことはありません。
目の前の小さなことから、一つ一つ、何かを始めてください。
小さな業務改善や、新しい仕事に挑戦する、etc。何でもいいので、自分から動き出すマインドセットを身につけてほしいと思います。
こうしている今も、世界中の優秀な企業の若者たちが、どんどんリーダーシップを発揮して、チャレンジを始めています。乗り遅れないでください。

①デジタル化
②破壊的イノベーション
③ベンチャーブーム
④グローバル化
⑤都市化

この五つのメガトレンドは、世界中のあらゆる国々を巻き込んで、今まさに進行中です。
しかし、それらを「対岸の火事」とみなし、自分のこととは考えない傾向が日本人にはあるようです。
「シリコンバレーの話だから関係ない」、「うちは外資系じゃないから関係ない」、「ベンチャーじゃないから関係ない」…
と思っているみなさん、本当にこうした変化と無関係でいられますか？

「待ったなし」の変化は、まさに今、訪れています。

海外で生まれた小さなベンチャー企業（uber、airbnb、facebookなど）が、国内の業界全体までも破壊するようなイノベーションをやってのける今の時代、社員全員が全力で成果に向って動き出せる組織づくりに、いまこそ注力すべきです。
グーグルが特別なのではなく、どの会社でもトップやマネジメント層が本気でやれば、変えられることはたくさんあります。
まさに、リーダーシップを発揮すべきなのです。
本気でイノベーションを生み出したいのであれば、誰もが自由に意見が言い合える空気を作ったり、ダイバーシティを高めたり、社員同士が学び合える仕組みづくりなど、できることはたくさんあるはずです。

本書の章立ての10個は、どれもグローバル企業で人材育成を行なってきた著者が、とくに今の日本のビジネスパーソンに必要と思われるスキルを、選び抜いてくれています。
１５年後には、今の仕事の約半数は消失している、といわれる時代（プロローグ参照）スピード、変化、複雑性、ストレスをどのように乗り越えて、いかに成長し続けることができるかで、この先のビジネスライフは大きく変わります。
心構え、発想力、思考力、行動力、学習力、組織力、人間力、集中力、直感力、伝える力など、読めばいますぐグローバル仕様にアップデートできます。

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ピョートル・フェリークス・グジバチ

ポーランド生まれ。ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日。
2002年よりベルリッツにてグローバルビジネスソリューション部門アジアパシフィック責任者を経て、2006年よりモルガン・スタンレーにてラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデント、2011年よりグーグルにて、アジアパシフィックでのピープルディベロップメント、さらに2014年からは、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。
現在は独立して2社を経営。1社目プロノイアでは、国内外さまざまな企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティングを行なう。
2社目モティファイは新しい働き方といい会社づくりを支援する人事ソフトベンチャー。
国内外の多国籍なメンバーやパートナーとともにグローバルなサービスを展開している。本書が初の書籍刊行となる。