『京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと』著者竹由喜美子さんインタビュー

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日本が誇る「おもてなしの最高峰」京都花街芸舞妓として活躍した竹由喜美子さん。彼女が接した世界のエグゼクティブたちはどんなことを大切にし、どんな視点を持っているのか。書籍『京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと』には、ビジネスパーソンが押さえておきたい視点のみならず、京都花街のルールや裏話なども多数掲載されている。


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著者プロフィール:竹由 喜美子(たけよし・きみこ)
1973年京都市生まれ。14歳のころから踊りのお稽古を始め、中学卒業とともに京都花街の屋方(置屋)のお世話に。16歳で舞妓として見世出し、ほぼ5年を経て襟替えし芸妓に。芸舞妓として11年あまりをつとめ引退。著書に『京都花街の教え 元芸妓が語る昇る男の条件 沈む男の傾向』(すばる舎)がある。

 

1冊目『京都花街の教え 元芸妓が語る昇る男の条件 沈む男の傾向』から、3年ほど経ってから本書の依頼を受けた竹由さん。今回、読者に最も伝えたかったことや、「掴むひと」の特徴などをお話しいただいた。

大切なことはすべて”姉さんがた”に教わった。

「私は芸舞妓時代、姉さんがたに多くのことを教わりました。姉さんがたとは、自分の先輩、また上司、師匠でもあります。姉さんがたに言われたことは、その場で納得することもあれば、何十年も経ってから理解することもあり、どれも深いお言葉でした」

京都花街は年功序列の縦社会。上の言うことが絶対である。そして「言うことは言うが、やることもやる」という世界で、ただ威張り散らすだけでなく、下のものが困っていたら身を挺して助けるという考え方が根づいている。竹由さんはその中で自分が成長したことを実感している。

「姉さんがたに教えていただいたことのひとつに「ペイ・フォワード」の精神があります。上の方に何かしていただくと、次は自分が若いひとたちにしてあげなさい、と教えられます。人として若いひとを育てる気持ちはとても大切です。私が姉さんがたに教わったことは伝えていきたいです」

芸舞妓時代、姉さんがたに叱られるのが日常だったと語る。多くは叱られて当たり前と反省できることだったが、ときに「納得がいかない」と思うこともあったという。

しかし、花街では「言い訳は口答え!」と言われ、聞いてもらえない。竹由さんは「自分が階段を上って、高いところから当時の自分を見下ろしたときに、理解できた」と、叱られた意味、ありがたさは後から分かると話す。本書の中でも「叱ってくれるひとを大切に さらには叱れるひとになる」と姉さんがたから教わったことを綴っている。

多くのエグゼクティブと接してきた竹由さん。「掴むひと」の特徴も話して頂いた。

「掴むひと」は誰に対しても平等

「私が見てきた”掴むひと”は誰に対しても平等に接する分け隔てのない方です。私は以前芸舞妓としてお座敷にあがりながら、引退してのち、ほんのしばらくの間ですが、お茶屋さんでお手伝いをさせていただいたことがありました。そのときお会いした方ですが、気づいておられるか分かりませんが、どちらの私に対しても同じ態度で接してくださいました。そうした方はやはりビジネスでも成功を掴んでおられました」

「また喜怒哀楽が激しく、人間味がある方も成功されている人の中には多かったです。自分の好きなサッカーチームが試合に負けて、バンバン机を叩いて、騒いでいるとか。冷徹で仕事にしか興味がないような人ではなく、少し抜けがあるほうがいいじゃないですか。モテと一緒で、「意外性」が人の心を掴むのではないでしょうか」

「掴むチャンス」を得るには実践すること

「本の中で納得したことがあれば、ぜひ実践してみてください。実践する心意気がないと、読んだだけで終わってしまいます。「掴むチャンス」を逃してしまう人は、アウトプットが足りないと思うんです。自分には難しいと思うことでも、できることから実践してみる。そうすると、人生はゆっくりと変わっていきますよ」

厳しい花街芸舞妓の世界で、強くしなやかに生きてきた竹由さん。本書は、ビジネスパーソンとして上を目指すために大切なことが散りばめられた一冊となっております。ぜひ、手に取ってみてください。


【書籍】

『京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと』(竹由喜美子著)

出版年月日:2017年08月26日刊
ISBN:9784799106273
定価:本体1,500円+税
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【本書の内容】

日本が誇る「おもてなしの最高峰」、京都花街芸舞妓。
彼女たちが接する世界のエクゼクティブたちはどんなことを大切にし、どんな視点を持っているのか?
それは、ビジネスパーソンとして押さえておきたいことだらけだった。

【目次】

其の一 青龍 「こかして」いいとき、ダメなとき 「こかして」いいひと、ダメなひと/なぜか、女性は「制服」に萌える ビジネスマンの制服であるスーツをどう着るか ほか
其の二 朱雀 お酌するとき、返されたいとき 手酌も注がれるのも、たのしめれば最強/おもてなしのプロフェッショナル じつは八方美人なわけではない ほか
其の三 白虎 酒場は人生の学校 自分だけの「学校」を早く見つける/必要なむだを省こうとしない むだがなさすぎると、気持ちが萎える ほか
其の四 玄武 叱ってくれるひとを大切に さらには、叱れるひとになる/「少年の心を残した大人」は女性のハートを掴む 「子どもじみた大人」は男女共に避けられる ほか


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