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嫉妬の発作とは

ーー嫉妬をすると、余計なひとことを相手に言ってしまい、後悔します。なぜ余計なひとことを言ってしまうのでしょうか。また嫉妬をする人は「孤独である」と大嶋先生は日ごろからおっしゃっていますが、その理由を教えてください。

大嶋 嫉妬の発作を起こすと、人は破壊的な人格になります。破壊的な人格のわかりやすい例として、旦那さんに浮気をされた奥さんの反応があります。

 私が以前、会社員をしていたときの話なんですが、とある社長さんがいました。その社長さんはわりと浮気がちな方でした。それで、家に帰らなかったり。奥さんは、浮気を疑って、「キー」っとなるわけです。
 
 ある日、社長さんが家に帰ったら、アルマーニのスーツの袖が全部ハサミで切り落とされていたそうです。すごいでしょ。でも、冬だからとりあえずなにか着ていかないといけないでしょ。袖がないスーツ着てたら、みんな「どうしたんですか、社長!」みたいになるよね。「ワイルドだろう?」みたいな。

 破壊的な人格になると、すべて破壊したくなっちゃうわけ。高いものだから、切っちゃいけないとか、うんぬん関係ないわけね。とにかく破壊衝動が起きてしまいます。これは、フロイトが言っていた「タナトス」(死へ向かう欲動)ね。破壊衝動っていうやつ。そういうのが起きる。だから、心ないひとことを言ってしまうとき、その人は発作を起こしている可能性があります。

 いくらでも人は、人を傷つけることができてしまうんです。どんな人でも。それは嫉妬の発作だから。発作を起こして、破壊的な人格に変身しちゃう。いくらでも、誰にでも起こりえることなんです。発作を起こさない人は、いません。

嫉妬と孤独

 嫉妬に関する古い話で、聖書に「カインとアベル」の物語があります。カインが長男で、アベルが次男。カインは、自分が畑で育てた野菜を神に捧げました。「あなたのために一生懸命育てました。喜んでください」と神に奉納します。でも、神は無反応でした。一方、弟のアベルは、自分が大切にしていた子羊を殺して、神に捧げました。すると、神はとても喜んだそうです。
 
 カインがその後どうしたかというと、嫉妬の発作を起こして、アベルを殺してしまいます。カインは自分が神から見捨てられたような気分になったわけ。孤独です。それに、神から自分だけ愛されていないという気分になってしまったの。自分が神から受ける恩恵を弟がすべて奪ってしまったという気分になったんです。

 私が言いたいのは、「幻想の孤独」というもの。ふつうの孤独は、とっても楽しいものです。ところが幻想の孤独は、ものすごく恐怖なわけ。そして人を破壊的な人格に変身させてしまう。カインは自分の恩恵を奪われて、自分が孤独になるという想像をさせられてしまったの。

 これが嫉妬の発作で、人を破壊的な人格にしてしまうんです。(つづく) 

 

 

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