【第3回実況中継】大嶋信頼先生「あなたの才能があなたを苦しめる」発売記念セミナー

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ナラティブセラピーとは

ーー本書は、「ナラティブセラピー」という治療法をメインにした構成になっております。ナラティブセラピーとはいったい何でしょうか? 先生はいつごろからナラティブセラピーを行っているのか、教えてください。

大嶋 ナラティブセラピーとは、物語を使ったセラピーです。最初に教えてもらったのは、催眠のお師匠さんです。ただ、催眠のお師匠さんから、「これがナラティブセラピーです」と教わったのではなく、単に催眠のお師匠さんがやっているのを見て、真似してみました。私の唯一の才能である真似。あっという間に真似てしまいました。私が全部真似しちゃったから、催眠のお師匠さんはだんだん使えなくなってしまったの。「あれ、大嶋先生がやってました」って言われるからね。

問題は問題、人は問題じゃない

 ナラティブセラピーを簡単に説明すると、「問題が問題であって、人は問題じゃない」ということです。つまり、人がいて、問題があると。問題と人は、別個なんです。問題は問題で、人は問題じゃないんです。これを外在化といいます。問題が自分の中にあるんじゃなくて、外にあります。

 たとえば、私は才能がなく、何ひとつ続けられなかったと言っていましたね。ナラティブセラピーを使うと、「才能がない」というのを外在化し、それを「凡才ちゃん」とします。擬人化し、まるでひとりの子どものように呼んでみる。「凡才ちゃん」が遊びに来ると、何ひとつ私は集中できなくなり、継続できなくなってしまいます。「凡才ちゃん」は、みんなから嫌われていているから、自分は誰からも愛されず、みじめな気持ちになります。

 「凡才ちゃん」が遊びに来ると、自分のことをダメ出ししたくなってしまう。自分の悪口を言いたくなってしまう。そして、周りのことも悪く言いたくなる。「凡才ちゃん」が遊びに来たから、自分は才能がないと考えるようになるわけね。

 すると、だんだん「凡才ちゃん」と遊ばなきゃいいじゃん、と思うようになります。

 自分の好きなことをやればいいや、と思いはじめます。自分と問題が切り離される。それが、ナラティブセラピーの1番わかりやすい例なのね。なんとなくわかったでしょ。ナラティブセラピーの本は、いっぱい出ていますが、決して買わないでください。なぜかというと、読むと混乱します。複雑で、怪奇に書かれていますので、結局なにを言ってるかよくわからなくなります。すごい複雑なのよ。

 これには、理由があるの。ナラティブセラピーは頭でやったらダメなのね。意識でやる。「ポジティブに考えましょう!」とか「これは否定的だ」というような意識が働いていると、ナラティブセラピーはうまくいかないの。

 ナラティブセラピーとは、無意識の状態じゃないとすーっと入っていかない。うまい外在化ができないわけ。

 本に書かれているとおり、複雑怪奇に考えると、意識が混乱するでしょ。意識が混乱して、わけわかんねえというときに、ナラティブセラピーが何となくできるようになったと。ナラティブセラピーをやっている人は、わけわかんない人たちね。本当、なに言ってんの、みたいなね。わけわかんないぞ、みたいなね。そういう人ばっかり。

 それは、無意識にやっているからなのね。自分でナラティブセラピーをやるにはどうしたらいいかというと、「私は才能がなくて、才能があると勘違いしている非常に痛い子である」と書き出してみる。これを内省といいます。自分で認めたくないもの、人には言えない恥ずかしい内省を書き出してみます。
 
 内省を書き出すと、面白いんですけど、無意識が働くのね。そして、書き出したものを何度も読んでいると、ナラティブセラピーが自動的にできるようになる。なぜなら、そのとき無意識が働くから。そして「才能は嫉妬によって潰されてきた」とわかってきます。この嫉妬というのが、外在化だよね。自分の才能は潰されてきたと、外在化ができるわけ。内省をすることで、自然とナラティブセラピーができるようになります。(つづく)

 

 

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