【講演会レポ】川野泰周先生「ストレス管理のキホン」

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それは暑い暑い5月25日土曜日の夕方。
恵比寿にある「書坊」という書店で開催されました。

いざ5分前にお店に再び足を運ぶと、ぴっちりと人が! 満員御礼!
席をご用意いただき、何とかイベントに参加することができました。

お話しするのは『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』を執筆された川野泰周先生です。精神科医、産業医でありながら、涼しげな袈裟を身にまとったにこやかなお坊さんでした。

レジュメに沿って、お話が進みます。

まずは、「ストレス負荷・マルチタスクが脳疲労をもたらすメカニズム」について。現代は、何もしなくても情報がどんどん入り込んできてしまう時代で、それだけでも10年前に比べて脳疲労が起きやすい環境にあるとのことでした。

確かに。電車に乗ればデジタルサイネージ、街を歩けば看板に多種多様な人々、スマホにはどんどんニュースが流れ込み、便利といえば便利ですが、探しに行かなくても情報がやってきます。ここのところ実感していた疲れは、加齢のせいだけではなかったのか! と妙な安心感が。

さらにお話は進み、ワークショップへ。マインドフルネスの基本型「呼吸瞑想」です。膝の上で手のひらを上に向けて目をつむり、ゆっくりと鼻呼吸をします。時間は2分間。呼吸に集中しましょう、とのことですが、これがどうして、あれこれいろんなことが頭に浮かびます。

先生は「いろいろなことが頭に浮かぶでしょうが(お見通し!)、それでもいいんです。そのあと、また呼吸に集中してみてください。その繰り返しで大丈夫ですよ」と優しい声で語りかけてくれます。

いろんなことを考えて呼吸に戻り、また考えて呼吸に戻り、リラックスしているものの、2分がとても長く感じられましたが、スッキリとした気分に!

これなら通勤電車やお昼休みなど、ちょこちょこ日常生活に取り入れることができそうです。

さらに、先生は具体的なことをいくつか授けてくれました。

一つは、交感神経と副交感神経を刺激して集中力を高める方法。緊張感やストレスがMAXになったあと、フローと呼ばれる集中状態になることが多いのだそうです。

あえて、緊張感をMAXにするために、目を閉じ、拳を握り、顔面にも力を入れて、しばらくしたらパッと力を抜く。この動作を何度か行うことで集中状態に入りやすい準備が出来るそうです。日頃から邪念が多すぎるので、これはぜひ、お手洗いに立った時などに実践してみたい!(顔面が崩壊していそうなので、人前ではできないです)

もう一つは、ネガティブなことの吐き出し方。ネガティブなことを黙って我慢して飲み込んでいてはストレスはたまる一方です。かと言って、思いのままに吐き出したところで、何だか悪口を言ったみたいで自己嫌悪に陥ることもしばしばあります。そういう時は、ポジティブな言葉を使って表現すればいいとのことです。例えば、「嫌いだ」と感じた時は「好きになれない」と置き換えるといいそうです。

弊社は池袋にありまして、池袋構内を歩くと人の流れにぶつかったり、そもそも流れもなく漫然と人がただただ多くて、電車の乗り場に辿りつくだけでもものすごいストレスを感じていて心の中では「うわー、みんな消えちゃえばいいのに!」などと思ったりしていました。これからは「あらあら、なんだか心地良くないわねぇ」と思ってみたいと思います。

今週を元気に乗り越えるコツを教えてもらえた講演会でした!!

Book
会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン
 
著者:川野泰周
発売日:2019年05月24日刊
ISBN:9784799107751
定価:本体1,400円+税
 
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川野泰周
臨済宗建長寺派林香寺住職/RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長。精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・医師会認定産業医。1980年横浜市生まれ。2004年慶應義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在、寺務の傍ら、都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。うつ病、不安障害、PTSD、睡眠障害、依存症などに対し、薬物療法や従来の精神療法と並び、禅やマインドフルネスの実践による心理療法を積極的に導入している。またビジネスパーソン、医療従事者、学校教員、子育て世代、シニア世代などを対象に幅広く講演活動を行っている。
内容
忙しくなると、ミスを連発。がんばっているけど、やる気が出ない……会社員にはストレスがつきもの。ちょっとしたミスなのに、上司から激怒される。タイトすぎるスケジュール。残業続きの毎日……。日常のストレスが積み重なると、気づかないうちに心や身体に負荷がかかり、うつ病や適応障害などの病気に発展することも。本書はマインドフルネスを中心とした講演活動を通して、ビジネスマンや学校教員、子育て世代、シニア世代を啓蒙している、精神科医で禅僧でもある川野泰周氏により、ストレスを小さい段階から摘み取っていく方法を紹介しています。
禅や脳科学の観点から、職場や日常でも簡単にできるストレス管理法やストレスをためない仕事術を伝授。マインドフルネスを毎日の生活に取り入れることで、心身が健康になり、集中力が格段にアップ。仕事や人生に対しても前向きに捉えられるようになっていきます。新卒からベテランの方まで読んでいただきたい1冊です。

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