【第2回実況中継】大嶋信頼先生「あなたの才能があなたを苦しめる」の発売記念セミナー 

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「才能」とはなんでしょう

ーー「才能」とは何なのでしょうか? また才能があっても発揮できないのは、なぜですか? 「欠点は才能になる」ことについて、詳しく教えてください。

大嶋 才能とは辞書で調べてみると、「物事をうまく成し遂げられる優れた能力」ですね。だから、音楽の才能がある人は、ピアノでもなんでも楽譜を最後まで読めて弾ける。それが成し遂げられる、ということだと思います。またコンサートや発表会を開くことも「成し遂げられる」というかもしれない。

 だからひとつの才能とは、「最後まで成し遂げる能力」ですね。それが才能です。努力して最後までやり抜くと、才能として開花していくと言われています。

 しかし、私は絶対に無理。なぜかというと、才能が途中で潰されるんですよ。綺麗に。たとえば、子どものころ、作文とかを書くじゃないですか。勉強は嫌いでしたが、作文はなぜか書きました。すると、作文を読んだ母親が「あなたの文章はくどすぎる」と言うんです。

 出版した本を母親に渡したら、付箋だらけで返ってきたこともありました。私は文章を書くのは、本当にダメなんだ、下手なんだ、苦手なんだと思って、文章を見直すことさえ、全くできなくなっちゃったの。自分で書いた文章をあとで見直すことが、怖くてできないのね。なぜならダメなところがいっぱい見えてくるから。

 自分の痴愚(おろか)なところを見るのが嫌になってしまった。文章を見直さないから、国語の作文などは、直しで真っ赤になって返ってきました。誤字脱字が多かったようです。文法がなっていない、とも先生から指摘を受けました。だから文章を書くのは、ダメなんだと壊滅的に思ったのね。

 母親は、私が話をすると、「あなたの話はしつこい」と言いました。私はちゃんと説明できていないような気がして、何度も何度も同じ話をくり返してしまう。そして母親から「もっと端的に言いなさい」と言われ、結局相手に話が通じないという現象が起きる。自分は話が苦手なんだなとずっと思っていました。
 
 でも今では、毎日動画をアップしているし、べらべら喋っています。苦手と思っていた話すことも、文章を書くことも今はやっている。少なくとも、10年前は人前に立つと、顔が真っ赤になって、全然喋れなかったけど。

 そうなってしまったのは、何が原因かといえば、母親のひと言です。私が思うに、母親の発言は嫉妬の発作からきたのかもしれない。母親が私の才能にちょっとでも光るものを感じて、嫉妬の発作を起こした。嫉妬の発作が起きるとどうなるかというと、破壊的な言動をしてしまう。相手が才能を発揮できないように潰そうとします。

 周囲の人から嫉妬の攻撃を受けると、才能は発揮できない。ピアノを弾いても、先生から怒鳴りつけられたり、ビシバシたたかれたりしました。そんなことをされたら、絶対できなくなってしまいます。私には音楽的なセンスがあったかもしれないのに、音楽に対して、楽しいというイメージが全くできなくなってしまったんです。

 いろんなことが、とことん人によって潰される。「言い訳ですよ、あなた。それでも続けている人がいるじゃないですか?」と他人から言われるかもしれないけど、たぶん苦痛を感じながら続けている人の方が多いはずです。

苦手なものにこそ才能が隠れている

 才能がある人は、大体は嫉妬を受けて潰される経験しています。だから苦手なものにこそ、才能が隠れている可能性があります。

 私は文章を書くのも、英語も苦手。いまだにそうです。英語が苦手なのは、先生からさんざんダメ出しを受けた経験があるから。なぜダメ出しされたかというと、私は発音がうまかったから。でも文法は全然ダメだったので、先生からさんざんダメ出し受けた。そんな風に才能は潰され、ものごとが苦手になってしまう。

 でも苦手なものこそが皆さんの才能なんです。だから苦手なことをやっていると、いつか才能として花が咲きます。

嫉妬の発作

 先ほどから、母親を悪く言っているように思いますけど、母親は嫉妬の発作を起こしているから私に言ったことを覚えていません。「私、そんなこと言ってないわよ」と言います。「あんたの文章はくどいなんて言ってないわよ」と。これはなぜかというと、嫉妬は発作のひとつなんです。発作とはどういうことかというと、脳に電流が過剰に流れ、これを「サージが起こる」と言うんだけど、過剰にビビッと反応しちゃうんです。

 そうすると、記憶を整理する海馬というところが、刺激されて都合の悪いものがすべてカットされる。便利ですね。都合の悪い記憶を全部カット。それが発作です。だから嫉妬をして、破壊的な言動をした記憶が全部カットされてしまうんです。これってひどい話だよね。でも実はこれって動物的な発作なんです。ですから、カラスでも鳩でも観察してると、白い鳩は徹底的に攻撃されたり、可愛らしいカラスは徹底的に仲間からつつかれたりするわけ。餌を奪われたりね。

 私は上野動物園の猿山が大好きなんですが、猿山でも同じことが起きている。だから嫉妬による攻撃は、動物的な発作なんです。

 母親は「あんたが社会に出て困らないために、私はダメ出しをしているんだ」と言うでしょうね。確かにそうなんです。才能があればあるほど、外の世界に行ったら嫉妬されて潰されるでしょ。その前にちゃんと才能の芽を摘んどかなきゃって。これが母の愛かもしれない。この子が死なないようにっていう考え。ちゃんと芽を摘んでくれていたということです。

 しかし、ダメ出しを受けたままでは、何も才能がない、何も成し遂げていないと自己嫌悪に陥ってしまうから、そんなときは「苦手なものにこそ才能が隠れている」と思えばいいんです。(つづく)

 

 

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