【最終回:実況中継】大嶋信頼先生「あなたの才能があなたを苦しめる」発売記念セミナー

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「内省」がピンチを救う

ーー最後の質問です。大嶋先生がブログで以前お話されていた「不安の向こう側にあるもの」について教えていただけますか。

大嶋 「不安の向こう側にあるもの」ですが、最近はそれを「内省」と言っています。「内省」は、非常に面白い事象です。これからそれについてお話しようと思います。

 聖書に「心の貧しいものは幸いだ。その人は神の国を見るからだ」という言葉があります。私は、この言葉を「負け犬の遠吠え」だと思っていました。私の家はキリスト教を熱心に信仰していたのですが、貧しくて家計はいつもどん底でした。私は「どこに神の至福があるんだ?」と悪態をついていました。

 他の家庭ではクリスマスにケーキを食べるのに、私の家では食べれませんでした。だから「心の貧しいものは幸いである」という言葉が、まったく響かず、美しさも感じなかったんです。

 しかし、「心の貧しいもの」とは、自分を「内省」することだとわかってきました。「内省」とは、「自分はダメな人間である」「人前で固まってしまい、価値のないことしか言えない」と認めることです。

 「自分は貧しく、小さな存在である」と認めること。私はこの感情を常に自分の中にもつようにしています。自分を認めたとき、「無意識」が働くからです。「内省」することで、できなかったことが、できるようになるんです。見えなかったものも、見えてきます。

 この「内省」とは実はすごいこと。だから、「心の貧しいもの」と認めることは、けっして間違ったことではないんです。「自分は心が貧しく、みんなより劣っている」と正直に思ったり、愚かな自分を素直に認めると、「無意識」が働きます。

 「不安の向こう側にあるもの」とは、「無意識」が働くことをいいます。不安を感じたとき、自分で無理に何とかしようとせず、ただ認めると「無意識」が働いて、無限の力を発揮することができるようになるんです。だから、ピンチのときは、「内省」で「認めます」と唱えるだけでいいんです。

 私は、普段から自分の小ささや弱さを一生懸命認めるようにしています。「内省」は苦労して積み重ねてきて、見えてきたことなんです。

 「内省」すると「無意識」が起動して「できなかったことができる」「わからなかったことがわかる」「周りが変わっていく」という現象が起こります。「不安の向こう側にあるもの」は美しい無意識の世界です。

ーー大嶋先生の今回の連載はこれで終了です。ーー

 

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