【第4回】大嶋信頼氏 連載コラム/「文章が下手…」「容姿に自信がない…」自分を苦しめる劣等感

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私は昔から「文章を書くのが下手」という劣等感がありました。

子どもの頃から文章を書くのが嫌で、本当に自分が書いた文章が嫌いでした。

この劣等感は長い間、私を苦しめていて、自分の書いた文章が「ひどい!醜い!」と思っているから、見直すのも嫌だったんです。

大学時代、提出用の論文を書くときも、「あまりにも酷いから見直しても自分では修正のしようがない!」と思い、いつも親友に「お願いだから、私の文章を修正して!」とお願いして、修正してもらっていました。

友だちに直してもらうので、「文章を書くのが苦手!」という劣等感から解放されることがありませんでした。今考えれば、自分で文章を見直して、一生懸命に修正していけば、それが学習されていって「だんだん文章を書くのが上手くなってきた!」と自信がついてきたはずなんです。

でも、私はそれが一切できませんでした。

実はこの「劣等感があることに対して何もできない」というのは、どの劣等感にもあてはまることです。

自分の容姿を美しいと思えない、人が自分の容姿をどう思うか気になるといった、容姿に劣等感を感じる人は決して容姿が人よりも劣っているということではない、むしろ魅力的な人も多くいます。

そういう方たちを見ると、「容姿に関係なく、自分の顔に嫌悪を抱いてしまって、ありのままの美しい自分でいられなくなってしまうんだろうな」と思うんです。

私は文章に劣等感を持っていて「自分の醜い文章を見るのが嫌!」となっていたので「劣等感を持ってしまうと、自分の本当の姿を正視できなくなる」ということがよくわかるんです。

劣等感に巻き込まれなければ「自分は平均以上」という感覚が働くので、自分の姿を見ても「いけてるじゃん!」と思えたり、自分の姿がしっかり見えるので、もっとこうしたら素敵なる、といった工夫もできるはずなんです。

しかし、本物の劣等感になると、人からほめられてもその言葉を信じられず、だからといって、劣等感を解消するために、行動して努力して克服する、ということもできません。

劣等感があるのに対処できるわけでもなく、まったく動けなくなる、というのを身を持って思い知りました。

今考えれば、本当に「文章を書く」は悪夢のような状態でした。

「文章が下手」という劣等感から、「私はいつもみんなよりも劣っている」という感覚を拭いさることができません。そして「自分には価値がない」と思ってしまいます。

この「醜い文章を知られたら自分はみんなから嫌われて仕事も首になり、貧困になって路頭に迷ってしまうのでは?」という恐怖があったんです。

この「文章のせいで貧困になって不幸になる」という恐怖と向き合いたくないから、「自分の文章と向き合うことができない」となって劣等感のまま持ち越されてしまうんです。

その話題のたびに身構えてしまう

「何かコンプレックスはあるんですか?」と聞かれたら、私の場合、「学歴コンプレックス」があります。

仕事の後輩と食事をしていて、そこに後輩の学生時代の先輩がやってくると、後輩は自分たちの学校の話ばかりしています。私は「あーあ!自分は日本の学校を出ていないから話には入れないや!」と諦めてしまいます。

そして、学歴コンプレックスがあるから、専門家が集まる場所に行ったら「自分は仲間になれないから話に入っていけないかも!」とそのような場を避けるようになってしまうんです。

コンプレックスがあると「自分は学歴のせいでみんなから受け入れてもらえない」と思ってそのような場を避けてしまうんです。たぶん、このコンプレックスを変えるために、この年齢で学校に入っても「この年齢で入ったから周りからは受け入れられないかも」と何も変わらないんでしょうね。

劣等感とかコンプレックスは非常に厄介なものなんです。

劣等感を感じるときは、「相手の嫉妬攻撃」を受けているときだった!?

私は、ずっと「自分がだらしなくて弱虫だからこの劣等感と向き合って克服する努力ができないんだ!」と思っていて、文章を書くのを避けてしまう自分を責めていました。

自分の文章が人を不快にさせると思うから、メールの返信すらまともにできなくて、メールを送ってくださった方を不快にさせてしまいます。

でも「嫉妬」ということに気がついたときに、「あ!文章の劣等感の原因はこれだったんだ!」ということが見えてきたんです。

私の母親は、周りの人から「綺麗なお母さんね」と言われるぐらいの人でした。そして、字を書かせれば綺麗、そして、文章は作家の方に認められていたぐらいの才能があったんです。

そんな母親から「あなたは顔が汚い、みっともない!」としょっちゅう言われていました。私は、鏡を見るのが苦手になります。

小学生になって髪型を気にしていたら「髪型なんて気にして気持ち悪い!」と言われて「自分は気持ち悪いんだ!」と思うようになってしまいます。

習字を習わされていて、賞をもらったのですが、母親は決して喜んではいなくて「お金を払っているから先生が払ったお金の分だけ推薦してくれただけ」言われて「やっぱり自分の字はダメなんだ」と思って、自分の汚い字をますます恥じるようになり、習字が嫌いになりました。

作文を書いて、先生から褒められて、母親のところに持って行ったら「あなたの文章は変!」と言われてショックを受けます。これが何度かあってから、作文を書くのが怖くなって、そして母親に見つからないようにカバンの中にくちゃくちゃに丸めて隠していたんです。

母親は疎開先の学校で極貧生活で兄弟揃ってお昼も食べることができず、筆記用具もまともに持っていなかったので、その才能を学校で発揮することがままなりませんでした。

それに比べて私は、給食はちゃんと食べられるし、筆記用具だって最低限揃えることだってできます。母親よりも下手なくせして、自分の時よりもいい環境にいる、ということで嫉妬の発作が起きて「汚い!」とか「みっともない!」という言葉が出てきてしまいます。

他人の「嫉妬の発作」が自分を直撃するとき、「がんばってやればできるよ!」という叱咤激励とは違って「ビビビッ!」という電気ショックの威力があります。

小さい頃、コンセントにピンを刺してしまって「ビビビッ!」とショックを受けたら「二度とやらない!」というあの感じ。

自分の文章を見られるたびに母親から「ビビビッ!」とやられるものだから「文書を書くのが怖い!」となるんですよね。

学歴コンプレックスも多分、母親の嫉妬の発作の影響を受けている可能性があるのですが、この場合はあの後輩が関係していた、と思うんです。

学歴から才能から何から何まで優れていた後輩が私に嫉妬するはずなんてない!とこれまで思っていました。でも、後輩からしたら、確かに「学歴も才能も上」なのに、なんで自分の上司なんだ!ということで嫉妬の発作が起きやすい条件が十分に揃っていました。

そして、私が「日本の学校を出ていないんで」という引け目を感じて弱みを出した瞬間に、後輩が「ビビビッ!」という嫉妬の発作を起こして、私はその嫉妬を受けて涙目になります。「なんで私を除け者にするんだよ~!」っていう感じ。

「自分の学歴のせいでみんなから阻害されるんだ!」という「ビビビッ!」のショックから条件付けが起きます。

そして、学会などの集まりに行ったときも、私がそのような弱みを見せるから、周りの人たちは「自分よりも低い立場の者が自分よりも優れたものを持っている」ということで「ビビビッ!」と嫉妬の発作を起こして、私はその発作の電気に当てられて、頭が真っ白になり「やっぱり自分はダメなんだ~!」となっていたと考えるんです。

もちろんこれは普通の心理学とか精神医学の劣等感やコンプレックスの概念からはかなりかけ離れているのですが、これに気がついたときに「あ!」と私の中で大きく何かが変わったんです。


【第1回】大嶋信頼氏 連載コラム/ 自分より「良い境遇の人」「優れている人」を見ると嫉妬してしまう

【第2回】大嶋信頼氏 連載コラム/嫉妬が起きる仕組み

【第3回】大嶋信頼氏 連載コラム/嫉妬されて足を引っ張られなくするコツ

【第4回】大嶋信頼氏 連載コラム/「文章が下手…」「容姿に自信がない…」自分を苦しめる劣等感


大嶋信頼氏プロフィール:米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。現在株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。ブリーフ・セラピーのT.F.T.(Thought Field Therapy)を学び認定トレーナー資格取得。
ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。 著書に、『言葉でホルモンバランス整えて「なりたい自分」になる!』『それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?』『無意識さんの力で無敵に生きる』 『支配されちゃう人たち』 『ミラーニューロンがあなたを救う!』(以上、青山ライフ出版)、『サクセス・セラピー』(小学館)、共著『児童虐待〔臨床編〕』(金剛出版刊)、『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(以上、すばる舎刊)がある。


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