ワンオペ育児の重圧など……「母親はこうあるべき」に縛られていませんか?
育児をするお父さんが「イクメン」と呼ばれるようになり、育児が母親だけのものではないという考え方が広まりつつあるものの、まだまだ世間では「母親が育児の責任者」という暗黙の了解があるように思われます。
子どもをもつと世間からは「お母さん」と呼ばれ、「お母さんなのだからこうあるべき」「お母さんなのだからこんなことはしてはいけない」と、知らず知らずのうちに自分自身にも「24時間良いお母さんでいなければいけない」と言い聞かせているように思います。夫が仕事で忙しかったり、祖父母が遠方に住んでいるなど、周囲からのサポートが受けられず、ワンオペ育児で苦しんでいるお母さんはさらに「責任者」の重圧を感じているかもしれません。
お母さん向けの「アンガーマネジメント入門講座」を開催し、多くの受講者からさまざまな相談を受けている篠真希さんの著書「子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本 お母さんのためのアンガーマネジメント入門」から育児中におけるさまざまなストレスを回避し、感情をコントロールする仕方をご紹介します。
子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本 お母さんのためのアンガーマネジメント入門
本書によるとお母さん方に「母親でいることがつらくなるのはどんなときですか?」と質問すると、こんな答えが返ってくるそうです。
・育児、家事、仕事とやることがいっぱいで泣きたくなるとき
・誰も自分の味方をしてくれなくて孤独を感じるとき
・いい母親にならなければ、というプレッシャーを感じるとき
「母親だけが子育てをするもの」という見えない「母親神話」に囚われて、重い責任感を抱え込んでしまう人が少なくないそうです。たしかに、私も家事や育児でいっぱいいっぱいになって、さらに体調を崩したときなどは、時折孤独やつらさを感じるかも……。そして少しでも育児をサボろうものなら容赦なく世間から貼られる「母親失格」のレッテル。「産んだ者の責任」という重圧。本書からこんなつらさを感じた時に回避できるヒントを少しご紹介します。
アンガ―マネジメントでは自分の信念のことを「コアビリーフ」と呼びます。「コアビリーフ」は生まれ育ってきたなかで自然と身に付けた常識に近いものです。他人も同じことを考えていると思いがちなのですが、実はコアビリーフは人によってさまざま。
他人に怒りを覚える理由は、自分の「コアビリーフ」が唯一絶対であると信じているから、だそうです。
アンガ―マネジメントでは、相手の考えを理解するために、自分にとって絶対と思える「コアビリーフ」をゆるく見直すということを勧めています。
見直し方のコツとしては、自分のコアビリーフが自分にとって大切なように、他人のコアビリーフもその人にとって大切なんだと、理解して尊重するということを行います。おおっとなんだか仕事でも役立ちそうな方法!
周囲の人から「母親らしくないこと」をしたために、嫌味を言われたり、重圧を感じることがあれば、自分の中にある「母親はこうあるべき」というコアビリーフを少しゆるめて、「そのような考えの人もいる」とすっぱり感情をコントロールできれば、自分も楽になれそうですね!
本書にはそのほか、育児中のイライラや怒り、ストレスを上手にコントロールする方法がたくさん掲載されています。子育て中のお母さんの共感ポイントが盛りだくさん。ぜひ読んでみてください!
子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本 お母さんのためのアンガーマネジメント入門