よい夫婦関係を保つヒント 『私の夫は発達障害?』
結婚して長く一緒にいても、「なんでわかってくれないの!?」「なんでそういう考えなの!?」など、配偶者の考えや行動がわからなくなってしまうことありますよね。夫との関係に苦しみ、悩む妻は少なくないとか。
夫に過度なこだわりや、コミュニケーション能力の欠如など、発達障害特性があったらなおのこと大変。その障害特性に翻弄されて、身体的・精神的にダメージを受けている妻たちの症状を「カサンドラ症候群」と言います。このような場合、一体どうしたらいいのでしょうか。
今回は真行結子さんの著書『私の夫は発達障害?』から、発達障害特性のある夫とよい関係を保つヒントについて解説します。
夫の世界を認める
特定の趣味に集中し、妻や子どもをないがしろにしてしまう夫。
会話をしない夫。
ひとりでいることを望む夫。
います、います、こういう夫。
こんなとき妻は、夫に対して、呆れ、悲しくなってしまいます。しかも夫はそれに対し、まったく妻の気持ちをわかっていなかったりします。
こんなとき、ついつい妻は自分の価値観を押しつけてしまいそうですが、本書によると、妻の常識で、夫の行動を解釈することは2人のよい関係づくりへの可能性を閉ざしてしまうとか!
妻は「夫は違う世界に生きている」と認識して、関係づくりに取り組むことが大切だそうです。お互いが向き合い、相手の世界を理解する「宇宙結婚生活」を送り、うまくいっているカップルもいます。
信頼できる他者とゆるやかなつながりを持つ
一つのつながりに固執、依存している場合、その関係がうまくいかないと不安が強くなったりします。
本書では、カサンドラな妻たちに、夫以外の人と楽しめる時間を持つことをおすすめしています。「広がりのある人間関係」を持つことにより、それまで心の多くを占めていた「夫との関係に満たされない」感覚が減少していくこともあります。
発達障害のうち、自閉症スペクトラム症の人は、相手の立場に立ち、気持ちを想像するのが苦手と言われています。
そのような夫を持つ妻が、感情面での共有ができる友人を意識的に持つようにした結果、夫に対して共感を求める気持ちが弱まり、夫婦関係が改善されたケースがあります。
本書では、6組の夫婦のエピソードが書かれており、夫婦関係の見直しにとても役にたつ一冊です。「変わらない夫」に苦悩するよりも、うまく距離をとることで、自身の人生を「幸せ」に生きる方法を教えてくれます。
夫婦間の悩みはその夫婦によってさまざまですし、解決法も個々のケースによって異なります。ぜひ、参考になさってみてください!
読者モニター様からのご感想
目次
第1章 夫の言動に悩んでいるのは、あなただけではありません
第2章 夫に発達障害特性があっても同居はできる
第3章 別居することで手に入る穏やかな夫婦生活
第4章 離婚も前向きな選択肢の一つ
第5章 ゴールは自分が主人公の人生