子どもの大人びた発言に驚いたことはありませんか?
大ヒット映画「君の名は。」の挿入曲にもなったRADWIMPSの「なんでもないや」のという曲が、クルマのラジオから流れてきたとき、私の4歳の娘が突然言いました。
「あのさー”嬉しくて泣く”のはあるけどさ、”悲しくて笑う”のは変だよね!?」
その曲の歌詞の一部に「嬉しくて泣く」「悲しくて笑う」という表現があったのです。私はその質問に驚いて、
「そうだねー。ママも嬉しくて泣いちゃったことはあるけど、悲しくて笑っちゃったことはないなあ」
「ところで○○ちゃん(娘の名)は『嬉しくて泣いたこと』なんてあるの?」
「うん、あるよー。」
「入院したとき、夜ひとりで、パパからの手紙を読んで嬉しくて泣いちゃった」
「ええーーー!!あんなに毎日『パパ、「気持ち悪い」「臭い」「あっちいって」』とか言ってるのに?」
「うん、そうよー」
「えええ!!」
娘は最近突然の高熱を出して、初めて一人で4日間入院したのでした。
その時にお見舞いにきたパパからのお手紙を読んで「嬉しくて泣いた」そうですが。いつの間に「嬉しくて泣く」なんていう感情を覚えたんだろう……。
幼稚園など集団生活が始まる4歳ごろから急速に語彙力が豊富になったという話をよく聞きます。つい最近まで赤ちゃん言葉だったのに……!子どもは大人が思っているよりも、いろいろなことを考えて、「言葉」に対して繊細に反応しているようです。このような語彙力や感受性は自然と身についていくものなのでしょうか。
語彙力をアップさせるには、読書が良いとよくいわれます。しかし、書店に行けば、たくさんの本がずらっと並び、どの本を子どもに勧めて良いか分かりません。特に多感な中学・高校生になったら、たくさんの良書に出会ってほしいものです。
感受性や語彙力をもっと育ててあげたいという親の願いを叶えてくれるのが、中学・高校生を対象としたYA(ヤングアダルト)の名作100冊が掲載されている「金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 多感な時期に読みたい100冊」。
「金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 多感な時期に読みたい100冊」
この本の監修は、翻訳家の金原瑞人氏。1980年代より新聞、書籍、雑誌などで精力的にヤングアダルト(YA)向けの書評を執筆されています。また芥川賞作家である金原ひとみさんのお父様でもあります。
本書には哲学、詩、物語などに幅広いジャンルにわたって掲載され、「一歩踏み出す勇気をくれる本」や「試練を乗り越える力をくれる本」、「じっくり読んで自分を深める本」など多感な時期だからこそ読んでほしい本がたくさん。
今回は本書から私の娘が12歳になったらぜひとも読んでもらいたい!と思ったオススメ選書をご紹介します。
書名:「ハッピーノート」
著者:草野たき
本の紹介(抜粋):友達、家族、気になる男の子。12歳の日々はいろいろと大変だ。誰もが体験するような、日常生活で起こるつまづきや戸惑いがていねいに描かれている。悩める子供たちに、一歩踏み出す勇気をくれる一冊。
書名:「アナザー修学旅行」
著者:有沢佳映
本の紹介(抜粋):それぞれの事情から修学旅行に行けなかった六人と保健室登校の一人。普段は決して接点がなさそうな七人は同じクラスで代替授業を受けることになる。何が起こるわけでもないがきっと忘れることのない三日間。
上記2冊は、どちらも等身大の中学生のお話です。集団生活にも慣れ、友達や親子の関係、勉強の悩みなどを抱えている中学生が、ひとつずつ受け止めて、視野を広げていく物語です。さまざまなことに悩む時期だからこそ、是非とも読んでもらいたいと思いました。
こちらの『12歳からの読書案内』シリーズは早12年目。今回は第4弾の刊行です。本書一冊で、さまざまな良書に出会える素敵な本となっております。
「金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 多感な時期に読みたい100冊」