集団生活が苦手なわが子、どうしたらいい? ー発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方
小学生になるとはじまる集団生活。授業中に立ち歩いてしまったり、先生の話をちゃんと聞けなかったり……。どうしてうちの子だけほかの子と同じようにできないのかと悩む親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
気になる子どもの行動の理由と適切な対応がわかれば、ちょっとラクになるかもしれません。
発達の遅れが気になる小学生のお子さんを持つ保護者の悩みに答えるために株式会社LITALICOが運営する「発達ナビ」とのコラボによって生まれた『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』から、「集団生活」の悩みについてヒントをお伝えします。
まずは子どもの苦手を理解する
健診などで発達障害の診断はされていなくても、個性的で少し浮いてしまう子、つまり「グレーゾーン」と言われる子は周囲からなかなか理解されにくい傾向があります。
本書によると、発達障害の有無に関わらず子どもが小学校生活で困ったときはまず「うちの子は何が苦手なのか」を親が理解することが大切だといいます。子どもの目線に立って、困っていることを一緒に考えてあげましょう!
困りごとで多いのが「かんしゃく」。うちでは、子どもがかんしゃくを起こしたときは、とにかく嵐が過ぎるのを待つようにじっと耐えるようにしていますが……。なかなか解決に至りません。
本書によると、かんしゃくの背景にあるのはたいてい子どもなりの「こだわり」だそう。
「マイルールがある」「ほしいものがある」などこだわりを止めようとするとかんしゃくにつながります。子どもがどんなときにイライラしたりかんしゃくを起こすのかパターンを観察するといいとか! そのパターンを見極め、環境を調整したり、やり方を工夫することでかんしゃくを防ぐことができるようです。おお、これは試してみたいです!
集団生活のルールを守らない
自分のペースにこだわるお子さんの場合、集団のルールを守れずに行動してしまい、周りから迷惑がられてしまうことがあります。
学校生活では親が立ち入れない部分が多く、すべてを解決することは難しいですが、日ごろから担任の先生にお子さんの気になることを伝え、学校に協力してもらうようお話ししておきましょう。
本書には、下記3つの対策が書かれています。
1. 具体的に短い言葉で指示をする
ルールを破ったときに「ダメでしょ!」と叱っても子どもにはなかなか伝わりません。「チャイムがなったら教室に入るんだよ」「2班はこの椅子に座るんだよ」と具体的に短い言葉で伝えてもらうよう、先生にも協力してもらいましょう。
2. ルールの重要性を理解させる
ルールは理解して納得しないと大人でもなかなか守れません。具体的に重要性を説明し、しっかりインプットさせましょう。
3. 家庭での期間を決めてルールを守る練習をする
子どもが守りやすい小さな目標を設定してみましょう。例えば、何度注意しても「くつをきちんとそろえない」場合。下記のような貼り紙を作成してみましょう。
決めたルールは目につきやすい場所に貼り出して、守れたらシールを貼っていくなど、子どもが楽しく守れるよう指導します。またルールを守る期間も設定するといいでしょう。
本書では、「家庭習慣」「日常生活」「学校生活」「学習・運動」など項目別に育児がラクになるコツをお教えします。同じ行動でもお子さまごとに解決方法はひとつではありません。一つの悩みに対し、三つの解決方法を示しています。ぜひお子さんに合った方法にアレンジして、子育てのヒントにしてみてください!
内容
本書は、発達の遅れや偏りが気になる小学生の子どもを持つ保護者の悩みに応えるため、株式会社LITALICOが運営する発達ナビとのコラボレーションによって生まれました。
「食事や身支度に時間がかかる」「忘れ物が多い」など子どもの困った行動を33挙げ、一つの行動ごとに対策を三つほど紹介。
どうしたら状況を改善できるのかといった疑問に、複数のアプローチからこたえます。
同じ困った行動でも、子どもごとにその原因は異なり、解決方法も一つではありません。一つ試して効果が見られない場合は、別の解決方法を試してみましょう。
ご家庭や小学校生活で子どもの成功経験を増やし、今よりも過ごしやすくするためのヒントがたくさん詰まった一冊です。
目次
第1章 不安だらけなのは、みんな同じです
第2章 「家庭習慣」の悩み
第3章 「日常生活」の悩み
第4章 「学校生活」の悩み
第5章 「対人関係」の悩み
第6章 「学習・運動」の悩み