読み聞かせ、上手にできますか?インタビューその2
「絵本は心の食事」
そう語るのは、『1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!』の著者でえほん教育協会会長の浜島代志子先生。
49年423万人の親子に絵本教育をしてきた浜島先生によると1日1冊の絵本習慣で頭と心が大きく育つとか。絵本の読み聞かせで子どもの脳と心を育てる方法や先生が長年実行している「対話式絵本の読み方」、子どもに合った絵本の選び方について、詳しくお聞きしました。
1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!(浜島代志子 著)
そんなに難しいことじゃないです。絵本は絵と文が50:50です。ポイントは「文を読もうと思わない」ことです。私はよくお母さん方へ「先に文を隠して、絵だけ見ながら子どもに質問をしてみましょう」とアドバイスしています。
(ここで「おたまじゃくしの101ちゃん」作・絵: かこ さとし 出版社: 偕成社を浜島先生に読んで頂きました。)
まず質問として、こんな感じです。
「これはなに?」
「おたまじゃくしだねえ」
「じゃあ、おたまじゃくしの歌うたってみようか?」
「あれ、おたまじゃくし、この中に何匹いるかなあ?数えてみようか?」
そう。この場合おたまじゃくしを数えることで、十分算数の勉強になってます。この絵本は、川の中の生き物がたくさん出てきたりしますね。ここから算数も社会も理科もぜんぶ学べます。全教科が学べちゃうところが絵本の良いところ。絵で十分子どもと遊んでから、やっと文章を読むという順番ね。
そして大事なのは実体験です。子どもは想像力が豊かなので、絵本の中でいろいろな体験をすることができます。そして、絵本で体験したことを、実際に体験してみることが重要です。絵本を読んだ後に、海にいったり、川に行ったりね。この本の中で見たおたまじゃくしを実際に目で見て、「あ、これ本の中で見たよね!」なんて会話ができます。
そして色々な「心情体験」をするということも大切です。心情体験を理屈で子どもに説明することは難しいから、わかりやすく絵本の中で体験する。「悲しい」とか「嬉しい」とか。どんなときにそういう感情を持つか、絵本の中で体験してみる。そのため、絵本の内容は具体的なものほど良いですね。抽象的な内容のものは子どもには向いていません。
「おたまじゃくしの101ちゃん」では最後にお母さんが子どもたち(おたまじゃくし)を命がけで守るシーンがありますね。こういうハラハラドキドキするシーンでは、情感をたっぷりこめて読みましょう。特にセリフがあるところはお母さんもなりきって読んで欲しいです。お母さんは演出家で、脚本家で、女優さんなんですよ(笑)。
またお母さんは絵本と子どもを繋ぐ人だから、自分の味を出して良いのです。親子それぞれのスタイルがそのうちに出来上がります。みんな違ってみんな良いのよ!ただ、大切なことは、お客様(子ども)に合わせてあげること。何がなんでも聞かせようとしないで、子どもの反応に合わせて読んであげてください。
やっぱりメッセージやテーマがあることが大事ですね。読み終わってみて、それが「なんだったの」かわかるもの。
「何を言いたかったのか」わかるものがよいですね。平たく言うと、子どもの心にストンと落ちるものというかね。「あ~よかったなあ」「面白かった」「じーんときた」「悲しかった」という喜怒哀楽ね。でも「憎しみ」とか「恨み」、「復讐」が込められた内容のものはだめですね。それこそ幼い頃にそういった内容の話を聞くと、心が育ちにくくなってしまいます。そういう話は選ばないようにしてくださいね。
できれば早いうちから(絵本教育)をしてほしいと思います。とっても効果があるのだから。手遅れはありません。あせらなくて大丈夫です。4歳の時に絵本教育してあげたのと、10歳になってからでは、エネルギーや知恵、力がより必要になります。お子さんが小さいうちに基礎体力、基礎能力を身に付けてください。
浜島代志子先生 インタビュー動画はこちら