「母」になったとき知っておきたいこと……『私は私。母は母。』
「母からの過干渉がきつい」
「子育てについて母からいろいろ口うるさく言われる」
「娘につい干渉しすぎて、嫌がられる」
などという悩みはないでしょうか。「娘は自分の分身」と思っているお母さんも少なくないかと思います。複雑でつい依存してしまいがちになる母娘関係。お互いにいい距離を保って、気持ちよく過ごしていくにはどうしたらいいのでしょうか。
今回は『私は私。母は母。』という本をご紹介します。
娘を持つ自分にとって、このタイトルは衝撃的でした。というのも、娘に対しては、つい自分と同じ趣味や嗜好を持ってほしいと思ってしまったり、「自分は○○ができなかったから○○をさせたい」と習いごとも「自分基準」で選んだりしていたからです。
つまり「私は私。娘は私。」状態です。
本書は、娘がどんな母娘関係に苦しんでいるか、またどんな葛藤があるのか、ケース別に詳しく書かれています。
例えば……
・ベッタリ母とのつきあい方
・過干渉母とのつきあい方
・無関心母とのつきあい方
・言うことが矛盾だらけな母とのつきあい方
などなど。
葛藤する母娘のエピソードを題材に、娘が母から解放され、自分の幸せをつかむための具体的な方法が紹介されています。主に母娘関係に悩む娘のために書かれた本ですが、娘を育てるお母さんにも知ってもらいたい内容がたくさんありましたので、いくつかご紹介したいと思います。
「母」になったとき知っておきたいこと
子どもはこの世界の新人、何もできなくて当たり前
親としての機能を果たしながら、子どもといい関係を保つにはどうしたらよいのでしょうか。毎日の子どもの世話をしていると、イライラが極限に達するときがあります。「きちんと座って食べない」「鼻くそをほじって、つけてくる」「騒いではいけないところで大声を出す」などなど。
この子はわざと私を困らせている?などと思ってしまうときがあります。
そういうときは、「子どもはこの世界の新人、何もできなくて当たり前」ということを思い出すといいそう。「新人」の子どもにはわざと困らせるなどという高度なことはできず、一生懸命気に入られようとしているが、うまくいかないだけなんだそうです。
また幼稚園、小学校など集団生活が始まってくると、周囲の子どもの成長も気になります。「○○ちゃんはできるのに、どうしてうちの子できないの?発達障害?」など自分の育て方や子どもの発達に疑いを持つこともあるでしょう。
ついその子の力量以上の判断力や計画遂行能力を期待してしいまう「母」。そんなときは「子どもは何もできなくて当たり前」と思い、急がなくてもいつかできるようになると信じてあげることが大切です。
言葉に気をつける
お母さんが「あんたなんか嫌いだ」と言えば、子どもは親が八つ当たりをしているとは理解せず、「嫌われた」と理解します。この世界の新人は複雑な表現は理解できないということを知っておきましょう。
本書では、特に気をつけてもらいたい言葉に「世の中は厳しい」「今からそんなことでは大人になったらやっていけない」というような「脅し」があります。
具体的に何をしているかがわからずにただ脅される子どもは、ますます自信を失ってしまうのです。
母娘関係について、悩むのは圧倒的に「娘」だそう。「母との距離の取り方が難しい」「母から昔傷つけられたことがある」「母の言うとおりにしないと、いけないような気がする」など「母」の存在に重苦しさを感じながらもそのことを口にできない娘たち。悲しいことに悩んでいる娘に、ほとんどの「母」は気づかないそうです。
一生懸命に育てた娘が実は自分との関係に悩んでいたら……とてもつらいです。娘を持つお母さんにぜひ読んで頂きたい1冊です。
内容
母との関係に苦しみ、悩む娘は少なくありません。でも、「所詮、母はああいう人」。母を変えようと苦悩するより、うまく距離をとることで、あなた自身の人生を幸せに生きていいのです。母にも苦悩する娘として生きた時代があったということを理解しても、あなたが同じように苦しむ必要はありません。 本書では、実際によく見られる葛藤する母娘のエピソードを題材に、娘が母から解放され、自分の幸せをつかむための具体的な方法を紹介しています。苦悩する娘の背中を、後押ししてくれる一冊です。
目次
CHAPTER1 自分を傷つけずに母親と接する方法はある!
CHAPTER2 娘が母を疎ましく思うとき
CHAPTER3 母が娘を苦しめてしまう理由
CHAPTER4 あなたを苦しめる母親とのつきあい方
CHAPTER5 娘が母親になったとき知っておきたいこと